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「中小企業のIT化についてのアンケート」
        〜ASPサービスがより活用されるために何が必要なのか〜

とうとう新年度がやってきました。どうやら株価も1万2千円を回復し、何かと明るい話題の多い一年になるといいですね。さて、今月の線客万来コーナーでは、昨年度行われた中小企業のIT化についてのアンケートの結果をご紹介していきます。今年度の皆様のIT化に向けて、ヒントにしていただけたらと思います。
それでは、内容をご紹介する前に、アンケート実施団体のご紹介と、調査の目的・内容について、ざっとご紹介いたしましょう。




■中小企業IT化推進協議会(IT協)とは※※※※※※※※※※※※※※※※
IT協は、大阪府や経済団体が中心となり、民間企業の協力のもとに運営され
ています。中小企業がIT化の積極的な導入・活用による経営の高度化・高付
加価値化を速やかに実現することができるよう、ASPサービスの活用促進、
ASP事業者の事業展開のための活動支援を行なっています。
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ここで出てくるASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダーの略称
で、情報システムによるサービス(Eメールなどの基本サービスから、経理や
物流などの業務サービスに至るまでの様々なサービス)をインターネットを介
して時間貸しする事業者・サービス形態のことです。つまり、自社内にソフト
を導入せずに、必要なときに必要なだけ利用できるソフトウェアと言えます。
自社システムを開発する場合に比べ投資リスクが低く、運用管理についても専
門要員を抱える必要がないなど、中小企業にとってメリットのある方式と考え
られています。

今回のIT協のアンケート調査は、このASPサービスについて事業者の動向
と利用者のニーズを調べ、より活用されるために何が必要なのかをまとめたも
のとなっています。同時に、中小企業の現在のIT環境についても調査を行っ
ており、ここ1年の環境変化についても報告がなされています。

調査は、平成15年11月〜12月末にかけて、府内の中小企業4000社と、事業者200
社に対して行われました。この連載では、このうちの中小企業4000社から得ら
れた回答179社分の調査結果を中心に、ご紹介して行きたいと思います。

まずは、利用者の設備について、見て行きましょう。

■アンケート結果 その1『コンピュータ導入について』******************

      (今回調査)      (前回調査)
汎用機     5.6%          3.8%
オフコン    20.7%          33.0%
パソコン    93.9%          94.5%
その他      5.0%           4.8%

 この結果を見ると、前年からの変化はそれほどありません。つまり、前年段
階ですでにパソコンが中小の事業所まで行き渡っているということが解ります。


■アンケート結果 その2『ネットワーク接続回線について』**************

      (今回調査)      (前回調査)
アナログ回線  11.2%          32.4%
ISDN    31.3%          60.7%
ADSL    40.8%          35.2%
光ファイバー  29.6%           11.4%
専用回線    12.3%          21.7%
CATV     2.8%           5.2%
無線       0.6%             - 
不明       6.1%            1.4%


 ネットワーク接続回線については、ISDN・アナログ回線・専用回線利用
率が下がり、光ファイバー・ADSL利用率がこの一年で伸びています。この
アンケート結果を企業の従業員規模別に見ると、20人以下の企業では光ファイ
バーよりもADSLやISDNが利用されており、50人以上の企業では、IS
DNよりも光ファイバーやADSLおよび専用回線が利用されていることが解
ります。

ネットワーク接続については、この1年間で大きくブロードバンド化が進んで
います。これは、回線接続に必要な費用が年々安くなっていること、インター
ネット利用が当たり前になってきたことなどの要因が考えられます。来年に向
けて、より一層光ファイバーの割合が増えることが予想されます。

この二つの結果を見ても、中小企業にはすでにパソコンが導入されていて、お
まけにある程度の速さの回線によってインターネット接続されているという姿
が今の中小企業の「あたりまえ」と言うことができます。
これら、ASPサービスを利用する前提条件がすでにクリアされている中で、
実際に中小企業ではそのサービスをどのぐらい導入し、利用しているのでしょ
うか?




アンケート中「中小企業のIT環境」について、まずご紹介しました。
一言で言うと、パソコンはほとんどの事業所に行き渡っており、ネットワーク
もどんどんブロードバンド化しています。どちらも、ここ数年で安く簡単に手
に入るようになりましたから、当然のことかもしれませんね。さて、それでは、
パソコンや高速ネットワークを手に入れた中小企業は、それをどのように利用
しているのでしょうか。ASP(プログラムを自社に導入するのではなくて、
ネットワーク経由でサービスとして利用し、期間に応じた利用料金を支払う仕
組)という形態の利用状況を見ながら、そのあたりを考察して行きましょう。
それでは、ASPの利用について、見て行きましょう。

■アンケート結果 その3『ASPサービスの利用状況』*****************

            (今回調査)
現在利用している     28.05% 
過去に利用していた     0.00%
近々利用する予定である   2.44%
利用してみたい      18.29%
利用しない        51.22%


 この結果から、約3割がすでにASPサービスを利用していて、2割がこれ
から利用したいと思っている。また、半数が利用しないと回答していることが
わかります。昨年の調査では、利用している割合は約1割であったことを考え
ると、利用者は順調に増えていると考えられます。また、従業員規模別にみる
と、規模が小さいほど利用してみたいと答えた割合が高く、IT化に対する興
味が高いことがうかがえます。


■アンケート結果 その4『すでに利用しているASPサービスの種類』****

            (今回調査)
システム管理        6.25%
社内業務系         13.54%
営業系           9.38%
インターネット関連    22.92%
グループウェア等     41.67%
その他           6.25%


 グループウェアとは、スケジュールや社内連絡などの情報を社員が共通に利
用できるサービスです。これは、すぐに役に立つシステムであること・仕事の
仕組みを変えるほどの手間がかからないことなどから導入しやすく、利用率が
高くなっているものと考えられます。案外利用されていないのは社内業務系で
すが、これは、次回ご紹介する「これから利用したいサービス」として大注目
されているところなんです。今はまだ使っていないけれど、これから是非使っ
てみたいサービスとして来週詳しくご紹介します。

これらの結果から、ASPサービスの利用は、不況の中でも順調に進んでいる
こと、今まではちょっとした社内の情報共有に使われていることがわかってき
ました。

ここまでの内容をざっとまとめると、PCやブロードバンドが中小企業にも急
速に普及している中、ASPサービスの利用も広がっています。
今までのところ、その用途として「グループウェア」などの社内情報共有や、
インターネットやメールのサーバーサービスが高い割合を占めています。
今後利用したいASPサービスはどういうものなのか、回答結果をご紹介して
いきたいと思います。
それでは、今後利用したいASPサービスについて、見て行きましょう。

■アンケート結果 その5『今後利用したいASPサービスの種類』*******

            (今回調査)      (前号掲載:
                       現在利用しているサービス)
システム管理       12.79%            6.25%
社内業務系         27.40%        13.54%
営業系           20.55%        9.38%
インターネット関連    17.35%           22.92%
グループウェア等     14.61%          41.67%
その他           7.31%           6.25%

 これを見ると、現在利用しているサービスについての調査では低率であった
「社内業務系」や「営業系」のサービスの割合が高いのが目立ちます。どうや
ら、今までは取り組みやすい情報系のサービスで利用していたが、いよいよ本
格的に社内の業務にも利用していきたいと思っている様子が伺えます。また、
グループウェアなどは既に導入済みであるため、今後利用したいサービスとし
ては上げられないということは当然でしょう。それぐらい、普及していると考
えられます。
 さて、もっとも高い割合で「利用したい」に選ばれた社内業務系のサービス
の中を詳しく見てみましょう。

■アンケート結果 その5’
       『今後利用したいASPサービスの種類(社内業務系)』****

            (今回調査)
文書管理          20.00%
人事管理             16.67%
給与計算          15.00%
会計処理               13.33%
総務・経理              11.67%
財務会計          11.67%
生産管理          10.00%
販売管理            1.67%


 まず、文書管理とは、図面や書類などの各種文書を整理して共有するための
仕組です。ものづくりに欠かせない情報として、設計図面がありますが、こう
いう文書の整理や保存に頭を悩ませる中小企業の様子が浮かび上がります。人
事・給与に関しては、今まではおかかえ税理士さんなどにおまかせしていた会
社が多かったと思いますが、厳しいコスト削減の中、見直しが必要になってい
るのかもしれません。そういうときに、健康保険の料率や毎年変わる源泉徴収
などの情報がタイムリーに反映されるASPサービスは、単に入力を行えば正
しい結果が求められるという点で、利用しやすいと言えます。

さて、現在使っているサービス・今後利用したいサービスと見て参りました。
このように利用が広がってきたASPサービスを、選ぶ選ばないの基準はどこ
にあるのかについて、ご紹介しましょう。

それでは、ASPサービスをどうして選ぶのか、選ばないのかについて、回答
結果をご紹介して参りましょう。

■アンケート結果 その6『なぜASPサービスを導入したのですか?』****

            (今回調査)
運用が楽          22.45%
低コスト             20.41%
メンテナンスが楽      20.41%
専門担当者が不要        14.29%
機能が高い               8.16%
すぐに導入できる       8.16%
セキュリティ性が高い     4.08%
業務変更が不要         2.04%


 ASPサービスは、ソフトウェアを自社で調達し、自社内に設置するのと比
べ、投資リスクが少なく運用がやりやすいといわれます。今回の結果は、その
言葉をそのまま現したものとなりました。これらの回答は、従業員規模別に見
ても同様のばらつきを見せ、ASPサービスの優位性が「コスト面」と「運用
性」にあることをはっきりと示しています。

 さて、それでは反対に「ASPサービスのどこが不安なのか」について、回
答を見てみましょう。

■アンケート結果 その7
         『ASPサービスを利用するのに何が不安ですか?』****

               (今回調査:複数回答)
データのセキュリティ          65.48%
新しい仕組であること           23.81%
IT専門担当者がいないこと       20.24%
その他                      14.29%


 ASPサービスの特徴は、インターネット回線を経由して、サービス提供者
が用意したサーバ上に自社のデータを投入する形態にあります。このため、さ
きほどの結果で見られたように「低コスト」であったり「運用が楽」という結
果を出すことができるのです。しかしながら、この良さが反対に利用者の不安
を呼ぶことも多いのがわかります。つまり、インターネット経由で自社の外に
データを置くということに対する不安であったり、すべてお任せにすることへ
の不安です。これらの不安をしっかりと取り去ることができれば、もっとAS
Pが普及するのではないでしょうか。

さて、今月は、中小企業のIT化に有効なサービスとして注目されているAS
Pサービスについて、その利用者の意識を調査したアンケート結果をご紹介し
てまいりました。これらの結果を収めた小冊子をご希望の方は、下記までメー
ルにてご連絡下さい。折り返し事務局より送らせていただきますので、よろし
くお願い致します。


大阪府中小企業IT化推進協議会   http://www.it-kyo.jp/

(小冊子:「ASP事業者と利用者のグループ化による中小企業IT化促進」
 ご希望の方は、
 タイトル:「ASPアンケート小冊子希望」
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  と書いて、メールにてご連絡ください。
メールの宛先は、中小企業IT化推進協議会事務局 info@it-kyo.jpです。



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