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原点に戻って、今一度ビジネスモールを再確認
        〜ザ・ビジネスモールのこれまでとこれから〜

平成16年度もいよいよ最終月を迎えました。何かとあわただしい毎日ですが、体調に気をつけて無事に乗り切りたいものですね。 さて、今月号の線客万来コーナーは、もともとこのメールマガジンの発信元で ある「ザ・ビジネスモール」について、改めて最新情報をお届けするのと同時に、生みの親である大阪商工会議所福島顧問に「ザ・ビジネスモール」にまつわる色々なお話を伺いたいと思います。


    まず、改めて「ザ・ビジネスモール」とは

「ザ・ビジネスモール (the business mall)」は1998年に生まれ、2000年から本格的に全国展開、2005年1月25日現在332,690もの事業所が参加しています。当時、まだインターネット上のマッチングサイト黎明期にあって、具体的な取引先を検索できる大規模データベースは他に類を見ないものでした。当初の機能としては、なんと言っても「企業検索」です。色々なキーワードから、各地の登録企業を検索できるもので、商工会議所が持つ「取引先の紹介」という機 能を全国規模に拡げるものでした。本来商工会議所の窓口に行かなければ受けられないサービスを、インターネット上で受けることができるということもあり、瞬く間に登録企業が増えていったのでした。


    企業検索の新機能

そのような中で、単に登録されている内容からだけ企業を検索するのではな く、リンクされている企業ホームページの内容も検索対象とするサービスが開始しました。わざわざ企業情報を個別に更新しなくても、自社のホームページを通常の運用で更新していれば、いつでも最新情報を検索してもらうことができるという機能です。これにより、検索の精度があがるだけでなく、より広い候補の中から取引相手を見つけることができるのです。


    アクセスログの閲覧機能

とはいえ、見られる側の企業からすれば、自社がどれぐらい検索されて、企業情報やホームページを見てもらえているのか不安なところです。そういう不安を払拭するための機能がアクセスログの閲覧機能です。自社がどれぐらいの注目度なのか、ホームページや企業情報の更新によって、どれぐらいのヒットがあったのか、新商品の注目度はどれぐらいなのかなど、その用途は限りなく拡がります。普段マーケティングにそれほど時間を割けない中小企業でも、モールに参加しているだけで、自社への注目度を計ることができるのですから、 とても手軽で貴重な情報と言えるでしょう。


    ザ・ビジネスモール国際版

世界に向けて自社をPRしたいと思っても、なかなか言葉の壁などがあり、実際に乗り出すのは難しいものですね。しかし、登録するだけで世界に取引先を拡げることができるチャンスがここにあります。登録した情報は、The Busi ness Mall Internationalだけでなく、企業検索サイト「サイバーG−BOC」 のどちらからも検索でき、ヒットされるチャンスも2倍です。

また、英語情報を登録すると、グローバル・ビジネス振興協議会が開催する 「バーチャル商談会」の企業リストに掲載されます。 「バーチャル商談会」 に参加している海外企業からオファーが期待できるので、ますます期待がふくらみますね。


    もちろん、商談モールもお忘れなく

昨年3月にオープンした兄弟サイト「the 商談モール」をご存知ですね。企業情報の検索ではなくて、具体的な案件でマッチングしてくれるサイトです。どういうマッチングがあるのかは、具体的な商談成立事例が参考になるのではないでしょうか。操作が難しそうだと思う方には、練習用のサイトも用意されており、初心者の方でも安心です。

このように、次々と新機能を盛り込みながら成長している「ザ・ビジネスモール」、生みの親である大阪商工会議所の福島顧問に、モールのこれまでとこれからについて、じっくりお話をいただきたいと思います。

ザ・ビジネスモール
http://www.b-mall.ne.jp

the 商談モール
http://syodan.b-mall.ne.jp/





では、「ザ・ビジネスモール」の生みの親である大阪商工会議所の福島顧問に、モールのこれまでとこれからについて、お話を伺います。


 

    一度目の挑戦

ザ・ビジネスモールマガジン編集長の福島です。3月末日で大阪商工会議所を離れます。そのため、このマガジンの事務局も後進に委ねることになります。 この機会にザ・ビジネスモールの誕生の経緯と今後の展開に期待するところを、発案者の立場からお話します。

私の手もとに昭和60年(1985年)1月の日付がある「CCINET構想」という24ドットのインパクトプリンターで印刷した23ページの資料があります。 ちょうど20年前に作成したこの資料こそが、今日のザ・ビジネスモールの具体的な構想と機能を取りまとめた最初の企画・提案書そのもとといえます。この資料には、このネットワークシステムの基本的な考え方として、ザ・ビジネスモールに引き継がれたキーワードが網羅されています。

・・・以下、「CCINET構想」から抜粋・・・

○ネットワーク構築の目的
情報化社会の進展のための最大のテーマである広域ネットワークが国、自治体、産業界等でさまざまな形で構築されつつある。全国480の商工会議所は、 各地における地域総合経済団体として、これまで地域経済の発展につとめてきたが、このような状況下で全国的な活動を円滑に行うため、全国的な商工会議所ネットワークを構築する必要にせまられている。

(中略)

以下のようなテーマで推進を考える。
・全国商工会議所のネットワーク構築により、取引照会の広域化や地域情報の全国な流通を図る。
・商工会議所会員の大多数を占める中小企業も大企業と同等の経済活動を行うことができる基盤を提供する。
・ネットワークを通じて商工会議所の新規事業の展開を図る。

・・・抜粋終わり・・・

このように、広域ネットワークの構築を提案し、中小企業と地域企業の支援のためのネットワークであることを強調しています。まさにザ・ビジネスモールのもつ目的と同じです。

もっとも、商工会議所単独でさまざまな支援事業、サービス事業をネット上に構築することは不可能であるとの認識の下、企業との提携によるサービスの拡大を目指しています。

一部を例示すると、
・データベース提供機関と連携した情報提供サービス
・地方特産品の販売の斡旋
・仲介サービス
・共同物流、共同決済 などがあります。

現在の言葉で言えばビジネスポータルサイトの考え方と共通 しますね。

この企画・提案書は、私が主査をつとめていた日本商工会議所の情報化関連の委員会に提出し、議論を進めたのですが、残念ながらネットワーク構築は実現しませんでした。 現在524、当時480ヶ所の商工会議所の中で、汎用コンピュータ、オフコンなどをあわせても123ヶ所しかコンピュータを導入していなかったのです。その大半が事務所内部でさえネットワークに対応していませんでした。まだ、パソコン通信も出現しておらず、インターネットなどは影も形もないころの企画ですから当然のことです。現在考えてみても時代に合わない夢みたいな企画・提案だったのですね。

しかし、一度の挫折くらいで捨て去るような企画であるとは私は思いたくありませんでした。

そして、数年後に、あきらめることなく、2度目の挑戦を行います。





ザ・ビジネスモールの構想の発端でもある「CCINET構想」についてお伝えしました。そのとき実現できなかったことを、また新たな展開で推し進めようと行動を起こします。


 

    二度目の挑戦

「CCINET」の名称で商工会議所の全国ネットを構築する企画が挫折した直後から、次の一手を考えました。

「CCINET」は最初から全国規模でネットワーク化を考えた結果、仕組みが大きすぎました。近畿一円のネットワークを先に構築し、それを全国展開するのが現実的であろうと考えたのです。

確かに「CCINET構想」は、商工会議所の情報化(IT化)の現状認識はしたものの業務に関する分析は不十分でした。理想的な絵を描きすぎていたきらいがありました。

そこで、今回は、近畿エリアの64の商工会議所(現在71カ所)でのネットワークづくりのための活動を始めました。幸い、近畿2府5県の商工会議所 は近畿商工会議所連合会を組織し、定期的に会合を持っており事務局は大阪商工会議所が担当していました。

そこで、事務局に諮り「商工会議所間情報流通システム研究会」を発足しました。委員長には北大阪商工会議所情報処理事業部長の竹安義夫氏(現在、同商工会議所常務理事)に就任いただき、大阪商工会議所が担当しました。

前号では、次の活動を数年後に始めたと書いているのですが、この研究会で調査し取りまとめた報告書の「はじめに」の記述を見ると昭和60年9月に研究会を発足させた旨の記述があります。報告書の作成時期は昭和61年7月です。 第1回目の挑戦が挫折した直後に次の動きを始めていることになります。この調査報告書の頭に次に引用する趣旨が記載されています。

〜以下、「商工会議所間情報流通システムに関する調査」より引用

地域総合経済団体としての商工会議所は、本来そこに経済人とビジネス情報が集まり、またそこからビジネス情報が発信される中枢機能を担っている。それは、商工会議所の指導・相談事業や他機関との連携事業、地域をあげてのプロ ジェクト開発などを通して端的に実現されるといって過言ではない。

情報化の進展と企業活動の広域化は、今日こうした商工会議所の事業が、地 域完結的に収まらない現象を生み出し、広域的、共同的な事業展開や情報の地域間交流を必然的なものとしつつある。近畿商工会議所連合会を構成する64商工会議所の場合も、それぞれの立地条件と特性に応じて、むしろ活発にこう した広域的事業や情報の交流を行ってきた。

情報はニーズがある限り供給され、円滑に流通することが望まれる。しかし、そのためには、流通を支援する仕組みが作られなければならない。特に、商工会議所のような地域の情報セン ター機能を果たす必要のある機関にあっては、OA化の進展を拠り所として、広域的な情報流通システムを構築することが、事業展開の上で強力な武器になるだけでなく、経済社会の合理化に資することになるものと考えられる。    

〜引用終わり

商工会議所間の情報流通システム構築を前提とした調査項目は、

1.商工会議所から企業、他機関への文書受発信数
2.他機関との共同事業実施の概要
3.取引に関する照会と相談(件数と海外を含む地域間照会の件数) 等です。

この調査の取りまとめ結果から 「商工会議所が産業界に情報を提供できる地域の優れたセンター機能を果たすためにも、自らの持てる情報の高度利用を図る一方で、他地域情報の斡旋、照会が容易に行えるシステムを構築しておく必要がある。商工会議所の特性を広域的に生かすため、情報集発信機能の機械化により、商工会議所間のネットワ ーク化を計ることこそ急務である。」 としており、まさに現在のザ・ビジネスモールの骨組みが提示されているのです。

しかし、今回も広域ネットワークは絵空事で終わりました。 それを象徴する文章がこの報告書に見られます。

「情報マインドについて、各商工会議所のレベルの平準化を図る必要がある。」 がそれです。

この報告書をベースに近畿の商工会議所のネットワーク作りを、各所に提案したのですが、すべて徒労に終わりました。構築費用の概算を見ただけで、「理想的な話ではあるが・・・」 と、本気で事業化を考える人は周りに一人も現れませんでした。

これが、第2回目の挫折です。 しかし、これでもあきらめませんでした。 12年後の平成10年に第3回目の挑戦を行います。

ついに、長年の夢が実るときが来るのです。





何度かの挫折を乗り越え、現在の「ザ・ビ ジネスモール」に育った、これからとは?



    三度目の挑戦

全国の商工会議所を結ぶネットワークの構築は、2度挫折しました。しかし、平成10年度にまたとないチャンスが到来しました。インターネットの急速な利用拡大を背景に、ネットワークを活用した企業活動を支援するため、通商産業省(現在の経済産業省)が電子商取引(EC)の拡大のため、総額420億円の補助金を準備し、応募を呼びかけたのです。

なにせ、これまで2度も挫折した地域と中小企業のためのネットワーク作りの企画の中で、インターネットを活用した地域と中小企業を支援する仕組みづくりについての材料は、手許に十分すぎるほど蓄積していたのですから。

早速、申請書を提出しました。補助金獲得の運動はまったく行わなかったのですが、採択されたプロジェクト150件の中の一つになりました。最初は、近畿の71の商工会議所をネットワークする枠組みで作業を進めたのですが、近畿以外の地域の商工会議所の意見を聞くと、全国的な広がりを求める声も多数であり、通産省と相談の上全国をカバーする枠組みにエリアを拡大しました。

そのため、当初はシステム名称を「近畿ビジネスモール」としたものを「ザ・ ビジネスモール」に変更しました。「CCINET」として構想を進めた当初の考え方に戻ったわけです。 全国に広がる地域の企業データベースを構築し、ネットワークを活用しビジネスポータルサイトとするシステム作りは、この時点でザ・ビジネスモールだけではありませんでした。商工会議所以外の機関で同様の試みがなされました。

しかし、現時点で見る限り、10万件を超える企業データベース(ザ・ビジネスモールの場合は33万 件)を維持し、100を超える拠点(ザ・ビジネスモールの場合は各地商工会議所、商工会など183拠点)を持ち拡大を続けるビジネスポータルサイトは、このザ・ビジネスモール以外には見当たりません。これは、ザ・ビジネスモールの構築にあたり、このような仕組みは精密なコンピュータシステムは当然必 要とされるものの、一層の力点を置かねばならないのは「仲間作り」であることを認識していたことにあると言えるでしょう。この視点から見ればザ・ビジネスモールは発展途上ながら着実に成功への道を歩み続けているといってもいいのではないかと考えます。

予想以上の展開を見せたのは、企業データベースが10万件を超えた平成12年の頃でした。

当時、大企業や、ベンチャー企業がこぞって企業間電子商取引や企業向け情報提供サイトを立ち上げました。しかし、急激な景気の後退の時期と重なり、一部の成功例はあるものの多くのサイトが予期した顧客を獲得できない状況にありました。これらのサイトから次々にザ・ビジネスモールとの提携の申し込みが舞い込みました。この状況は現在も続いているのです。

ザ・ ビジネスモールの立ち上げの時期は、各地商工会議所・商工会を登録団体として企業データを登録・更新する仕組みが評価されました。しかし、現在はザ・ ビジネスモールと提携サイトの周知・広報活動を各地商工会議所などの登録団体の現地で、その会員企業あてに直接実施できることが大きく評価されています。 登録団体も、登録企業も提携サイトも現在の数と内容で十分だとはいえません。サービスシステムもザ・ビジネスモール独自に「ザ・商談モール」を開設、電子メールも活用した商談の場を設けるなど新しい試みを続けていますが、これも十分とは考えていません。

今月から「電子契約サービス」を新たに提携サイトに加え、まぢかに迫った企業と国、自治体との、また企業間の電子入札、電子契約の時代に対応します。 3月末で運営の場所から離れるにあたり、ザ・ビジネスモールの成立までの経緯をかいつまんで紹介させていただきました。ザ・ビジネスモールが一層の展開を見せ、地域と中小企業の発展に寄与することを願って、商工会議所を舞台 にした地域活性化の仕組みづくりに若干の心残りを感じつつお別れします。

今後とも、微力ながら外部からザ・ビジネスモールの発展を支援するつもりでお ります。皆様、長い間ありがとうございました。今後ともザ・ビジネスモールの発展にご協力くださいますよう切にお願い申し上げます。

ザ・ビジネスモール
http://www.b-mall.ne.jp

the 商談モール
http://syodan.b-mall.ne.jp/





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