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〜ものづくりが大好きな職人の会社です〜      
        〜お客様の声を求めて「有限会社 坂根金型製作所」〜

戦後、自動車、家電を中心とした量産型加工組立型産業の発展と共に脚光を浴びた金型業界。それは、高度経済成長を支える大切な技術として、多くの製造業に無くてはならないものでした。しかしながら、バブル崩壊後の景気後退期においては、製造業における部品点数の削減や部品の共通化、モデルチェンジのサイクル延長などのリストラ策の影響、またコスト削減のための発注価格の低下など厳しい環境下での事業継続を余儀なくされています。
今月の線客万来コーナーでは、このように不況が続く金型業界にあっても、 ものづくりにかける情熱を何とか新規事業に結び付けられないかと新商品を開発し、若い力で頑張る企業「有限会社坂根金型製作所」をご紹介していきたいと思います。


    まずは会社の紹介から

中小企業がひしめく東大阪市。坂根金型製作所は1988年1月、東大阪市の東部地区で創業しました。ものづくりが大好きな職人の会社です。ホームページ には、タイトルとしてこう書かれています。

「東大阪の町工場。物づくり工房さかね」

この言葉には、職人気質が溢れています。

続いて「1000個迄の開発試 作品から小ロットのプレス加工はおまかせ下さい。お急ぎで簡単な品物であれば3日で出荷致します。弊社は物づくり大好きな職人の会社です。だから、型による形状造りは得意です。」と続きます。

会社概要を見ると、業務内容にはこのように書かれています。

「精密金型設計・製作、プレス加工 ※チタン加工も始めました」

プレス加工まではよくある町工場と同じですが、チタン加工とはどういうことでしょうか?


    キミワールド


ホームページで関連情報をクリックすると、おおよそ町工場には似合わないアクセサリーの写真が目に飛び込んできます。

「チタンアクセサリーショップ 「キミワールド」へようこそ!という文字が示す商品とは、チタンでできたオリジナルのネックレス、指輪、ブレスレットなどです。「ご購入は楽天店で」 と書かれたリンクがあるということは、これらのアクセサリーを販売されているようです。

チタンのアクセサリーというと、阪神タイガースの金本をはじめ、 多くのスポーツ選手の首元を飾る布製のネックレスが有名ですが、本当に女性を飾るアクセサリーとして、キミワールドの商品は開発されているものなのです。

では、なぜ金型・プレス加工の町工場が、女性向けのチタンアクセサリーを 販売しているのでしょうか?どちらかというと対極にあるその組み合わせこそ、「ものづくりが大好きな職人の会社物づくり工房さかね」だから生み出された絶妙の組み合わせだったのです。

●「有限会社 坂根金型製作所」
http://homepage3.nifty.com/sakane-k/





では、坂根金型製作所がチタンアクセサリーを世に出すことになったきっかけなどをご紹介していきたいと思います。


 

    チタンとの出会い

「どこも同じことだと思いますが、本当に業界の環境が厳しく、生き残りを かけて新規事業に取り組まなければと日々焦っていました。」とおっしゃる取締役で奥さんの坂根喜美子さん。

そんな坂根さんは、ある日大阪府立産業技術総合研究所の先生から言われました。

「会社のパンフレットに『チタン・マグネシウムは加工しません』ってわざわざ書いてあるけど、大丈夫やから一度やってみたら?」と。

でも、あらためて考えてみても、どうやってチタンを手に入れたら良いかもわかりませんでした。

「チタンは、ごくごく限られた会社しか扱っていないし、試作をしようにも材料さえ手に入らなかったのです。そんなとき、チタンを扱っている会社と縁があり、なんとか手に入れたくてそこの在庫を分けてもらったのです。それが今から3年ほど前のことでした。」  

実はこのとき、相手の会社に伝わったことがありました。「坂根金型さんは、チタンの加工をやりたいと思っている」ということでした。これを縁というのでしょうか。このことがきっかけで、坂根金型さんに、チタンメーカーから直接工場を見たいという話が来たのでした。


    チタン加工

うちの工場の技術・設備をご覧になったメーカーの管理職の方は、ここなら仕事をお願いできると言ってくださり、具体的にチタン加工の仕事が来ることになったのです。」

やりたいやりたいという熱意だけでなく、具体的に周りに働きかけた結果が実を結んだのでした。しかし、坂根さんの気持ちは終わりませんでした。

「触れば触るほど、チタンはすばらしい素材と気づきました。自分のところにしかできない技術を使って、すばらしいチタンをもっと一般の 人たちにも広められないのか、どうしたらいいのか」と考えあぐねていた坂根 さん。

ここで、また新しい出会いがあったのです。それは、ある勉強会で出会ったコンサルタントの先生の一言でした。

「アクセサリーなんかどう?」

この一言で、坂根さんの前にはぱっと未来が開けたのです。

「体にやさしい素材の持ち味を生かし、女性をもっときれいにできる商品を作れたらなんてすばらしいんだろう」と思ったのでした。その上、チタンという素材の特性上、板を加工したり、切削したりする加工でできるものしか無理で、アクセサリーはその加工技術の中でも製作できるものでした。


    アクセサリー作り

坂根喜美子さんにとって、自分自身が身につけることができるアクセサリーを、会社の技術で開発できるこのチャンスは大きな転機となりました。会社の運営や管理のサポートだけでなく、商品を自分自身が開発する機会ができたのです。

「もっときれいに磨きたい」
「普通のアクセサリーみたいに輝いて欲しい」
「気軽に身につけられる明るい色を出したい」

体に優しいというチタンの特性を保ちつつ、女性らしい感性が光るアクセサリーを考え続けました。最初は「アクセサリーなんか無理や」と考えていた工場の人たちも、その熱意に打たれたのです。

「たとえば顔の横に来るような眼鏡チェーンなら、金属だけでなくてスワロフスキーなどのビーズと組み合わせておしゃれにしたり、思い出をいつまでもきれいに残せる指輪を作ったり、アイデアが次々と沸いてくるのです。それは、私自身が女性であり、アクセサリーという身近な商品をまさに自分の手で開発できるという喜びが後押ししてくれていると感じています。」

このようにして、チタンアクセサリー作りが始まりました。作ったからにはたくさんのお客様にお届けしなければなりません。ここから、消費者への直接販売という、これまた今までに経験していない仕事が始まったのでした。

●「有限会社 坂根金型製作所」
http://homepage3.nifty.com/sakane-k/





では、販売の立ち上げなど、苦労話をお届けします。


 

    作ったはいいけれどどうやって売る?

色々な出会いからやっと実現したチタン加工。加工方法も工夫して、アクセサリー商品も開発できました。喜美子さんこだわりの輝きをプラスして、体にやさしい素材「チタン」が女性向け商品として登場したのでした。

しかし、こ こでひとつ問題がありました。

それは、長年頑張ってきた金型業界は全く受注産業であること。つまり、売り先が決まっていて、営業の必要が無い業界であったため、誰かに商品を売るという経験が全く無かったのでした。

「さて、作ったはいいけれど、どうやって売ろうかということになり、商工会議所に聞いてみたり、先生に聞いてみたり、色々教えてもらうところから始めました。」  

こうして、紹介してもらった百貨店の催事売り場などで細々と販売が始まっ たのです。


    もっと売りたい

チタンという素材自体が珍しいだけに、多少の売り上げはあるものの、年に数回の催事売り場への出店では増えていくことはありませんでした。

「これでは、本当にチタンの良さを知ってもらえないと思い、何とかもっと大きな場所に出て行けないのかと考えていたんです。そんなときに、商工会議所で、あるネットモールの説明会があると聞き、早速行ってみたんです。」

これが、今の「元気生活」の始まりでした。しかしながら、坂根さんは、これよりも1年以上前に、ネット販売を始めていたのでした。それが、「キミワールド」として今も健在のチタンアクセサリーの専門ショップです。


    ふたつのネットショップ

「キミワールド」は、チタンアクセサリーの商品開発に成功して程なくオープ ンしました。坂根金型本体のホームページとセットになったそのショップには、ペンダント・ネックレス・ブレスレット・リングなど、チタンアクセサリーがたくさん並んでいます。そのそれぞれに、詳しい説明と大きな写真が掲載されて、作った人のチタンへの思いが感じられるサイトになっています。

「何とか息子夫婦が独学で作ったホームページでしたが、作りあげることで精一杯で、SEOや専門的なデザインなどまではとても行き届きません。ひとつふたつは問い合わせが来ましたが、こちらも催事場と同じことでした。」  

そこで出会ったのが、全国的に有名なネットモールでした。商工会議所での説明会があっただけでなく、色々と相談していた方たちも、「人通りの多いところに行かないと見てもらえない」という点で、ネットモールへの出店に賛成 でした。

ここから、ネットショップ「元気生活」が生まれました。ここでは、チタンアクセサリーだけでなく、お客さんがたくさん来てくださる別の商品なども置きました。まずはチタンを見てもらわなければ始まらないからでした。

こうして、「キミワールド」と「元気生活」の二つのネットショップが始まりました。もちろん販売するための手段として始めたものでした。しかし、こ れら二つのネットショップがもたらしたものは、販売手段だけでなく、家族の大切な絆だったのでした。

●「有限会社 坂根金型製作所」
http://homepage3.nifty.com/sakane-k/

● 「キミワールド」
http://homepage3.nifty.com/kimi-world/

● 「元気生活」
http://www.rakuten.co.jp/genkiseikatu/index.html





そしてネットショップがもたらした家族の絆、これからのショップ展望などをお届けします。


 

    チタンアクセサリー販売で始まったこと

チタンアクセサリーを販売しようということで、ネットショップのサイトを立ち上げたのは、息子とお嫁さんでした。

「主人も私もパソコンやコンピュータについては全くわかりませんし、手の出しようがありませんでした。今までは、子供が小さいことや、工場仕事で手を出せなかったお嫁さんが、元来のパソコン好きを活かしてどんどん勉強してくれたおかげで、何とかネットショップがオープンできたんです。」とおっしゃる喜美子さん。若い世代ならではの力が新規事業に活かせたことを嬉しいとおっしゃいます。

「やはり、何と言っても家族が頑張って商売を盛り立てるのが中小企業ですから、なんとなく仕事には関係を持ちにくかったお嫁さんが、私が頑張ると言ってくれたことだけでも嬉しいことでした。」  

でも、嬉しいことはそれだけではありませんでした。


    自分自身のお客さん

「息子は、家業を継いでくれているものの、まだまだ現役の主人と一緒の職場では、技術的にも父親に勝てず、毎日悶々としていました。母親としては、それが一番つらく、もういっそのこと、よそで働いてもらったほうがと思ったこともあったぐらいでした。」  

家族が一緒に働く工場仕事では、きっとどこにも同じ悩みがあることでしょう。特に父親と息子が一緒に働くというのは、技術の継承も含めて難しいことがたくさんあるのではないでしょうか。  

「でも、ネットショップをお嫁さんと立ち上げて、自分自身が大手ネットモール店の店長として仕入れや販売を行っていくことで、場所が見つかったというか、自分の代わりがいない仕事ができたことで、どんどん商売に対する気持ちが変わって行ったんです。その上、色々なご縁が広がる中で、加工の仕事の注文も頂き、ますます自分の仕事に誇りと自信が生まれてきているように思います。」  

今では、寝る時間を惜しんでも働くことが楽しいという息子さんに目を細め る喜美子さんに、ショップのこれからを尋ねてみました。



    「チタンのおかげ」の気持ちをみなさまに

大手ネットモール店では、チタンアクセサリー以外の商品を取り扱っています。

「先日、取り扱っている洗剤が、TVで紹介されたんです。そうしたら、一挙に注文が殺到し、家族で寝る間も無いぐらい荷造りに明け暮れました。そのときに、大変でしたけれどもたくさんのお客様とご縁ができたんです。こういうお客様に、チタンの良さをぜひ知ってもらいたいと思っています。」 とおっしゃる喜美子さんは、実は新しい素材にも取り組んでいらっしゃいます。

それは、ゲルマニウム。チタンもゲルマニウムも、健康に意識の高い人ならば、何かひとつは商品をお持ちですよね。

「これからは、これらの素材を使って、もっと健康に良い・人に優しい商品 を開発し、販売していきたいと思っています。」  

チタンのおかげで手に入れた家族の笑顔。最初は手探りでしたが、あきらめず人の縁を拡げていくことで、新規事業として立ち上がって来たアクセサリー販売。喜美子さんは、これをもっと頑張って拡大していくことで、本業の金型製造・加工にも、良い影響が出てくると確信しています。

「まだまだ儲けはこれからですが、家族力を合わせて頑張っていくことで、 しっかり利益を出せるようになっていきたいと思っています。」

製造業が取り組んだネットショップ。みなさんにもきっと参考になられたこ とでしょう。今月は、金型・プレスの有限会社坂根金型製作所さんをご紹介しました。

●「有限会社 坂根金型製作所」
http://homepage3.nifty.com/sakane-k/

● 「キミワールド」
http://homepage3.nifty.com/kimi-world/

● 「元気生活」
http://www.rakuten.co.jp/genkiseikatu/index.html


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