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「この花は私たちが大切に育てました。
     自信を持っておすすめします。」

      〜近郊栽培の利を活かしつつ、オンラインショップに挑戦!”
何かのお祝いの時に、胡蝶蘭をもらったことはありませんか?胡蝶蘭という響きには、高級感と優越感を醸し出す一種の魔法が存在します。そんな特別な花「胡蝶蘭」を、大阪で栽培している農家があります。消費地に近い生産地という有利な立地を活かし、すばらしい花を育てています。しかし、いい花を育てても、商業的に成功しなければ何にもなりません。今月の線客万来では、新しい流通経路をオンラインショップで模索する農事組合法人「かるがもの里」をご紹介します。


    まずは花を見て下さい

 「農事組合法人かるがもの里」は、平成12年7月に花き農家7戸8名でスタートしました。「とにかく一度、見に来てください」という熱心なお誘いを頂き、好天に恵まれた4月中旬、泉南市の山間に出かけてみました。泉南インターチェンジからほんの数分のところを走っていくと、広い造成地の奥に、突如として最新鋭の固定式ハウス数棟が現れます。「ここで胡蝶蘭??」と半信半疑で中をのぞいてびっくり。約1200平米のハウスには、所狭しと「胡蝶蘭」が並んでいました。ひと月に2100株ほどの胡蝶蘭を出荷しているとのことですから、その数に圧倒されるのもあたりまえです。

「これが、今出荷準備をしている胡蝶蘭です」と紹介していただいたのは、見たことも無い柔らかい色合いの胡蝶蘭。「古都のせせらぎ」と名付けられたその小振りな胡蝶蘭は、母の日ギフト用にと特別に育てられた品種とのこと。「胡蝶蘭をもっと身近に使っていただきたいので、贈りやすい価格帯で和風の優しい色合いの品種を選びました」とは、「かるがもの里胡蝶蘭事業部"ねば〜らんど"」代表の岡田さんの弁。とにかくその数・広さ・美しさに圧倒された私たちは、「かるがもの里」のこれまでの取り組みをまず伺うことにしました。

    かるがもの里とは

 大阪府泉南市では、昭和30年代からの歴史を持つ球根切花栽培中心の「泉南市花き組合」と、デンドロビウムの鉢物栽培を昭和60年より開始した「泉州オーキッド」の両組織を核として、花き生産が発展してきました。しかし、泉州地区の都市化の進展により、決して栽培に良い環境とは言えなくなって来ていました。

「水と空気が汚染され、住宅化が進んでいくことでハウスの日当たりも悪くなり、このままでは良い品質の花き栽培ができないことに悩んでいた」栽培農家の面々は、丁度大規模な山火事で空いた土地を有効に利用する方法を考えました。そこで、平成3年に「泉南市花き組合」が大阪府と泉南市に対して営農拠点の移転について要望を出したのです。これが、「かるがも計画」のスタートでした。成長に伴って生活に適した場所に一家で引っ越す「かるがも」になぞらえたネーミングだそうです。なるほどですね。平成6年には(財)大阪府農地開発公社(現大阪府みどり公社)が農地開発に着手し、一方泉南市では(仮称)泉南市農業公園基本設計を策定しました。「個人の力ではとてもできない大規模な計画でしたが、国や府・市の力を借りて、10年がかりでやっと実現した花き団地なんです」と、農事組合法人「かるがもの里」代表理事の梶本さんがおっしゃる言葉には、実現するまでの数々の苦労・実現した時の喜びが溢れています。
こうしてすばらしい環境のもと、新しい「通勤型農業」がスタートしました。




この新しい設備で育てられている花は一体どんな種類があるのでしょうか?「かるがもの里」で育てられている植物達をご紹介し、続いて今まさに直面している問題点や、新しく始まった取り組みについてご紹介していきます。






    かるがもの里で栽培される花き達

 胡蝶蘭の隣のハウスに伺うと、そこにはおびただしい量のデンドロビウムが栽培されていました。よく見ると、先ほどの胡蝶蘭のハウスとは空調もハウスの様子も違っています。大型フェンロー型ハウスと呼ばれる最新鋭の花きハウスの中は、そこで育てる植物が大好きな日照・水質を提供できるよう、さまざまな工夫がほどこされているのです。
 また別のハウスを訪ねると、そこは球根植物の栽培用でした。切り花として出荷されるアイリス、ゆりなどが整然とならび、すばらしい香りが満ちています。花き集出荷施設が併設されており、収穫された切り花を流れ作業で梱包・出荷することができるようになっています。それぞれのハウス毎に生産者が元々地元で栽培してきた花き栽培を引き継ぎ、よりよい環境を惜しみなく提供しているさまは、いわば花の天国とも言えます。

 見学してみてはじめて、「まずは花を見て下さい」という言葉に込められた意味を理解できました。

    バブル崩壊と不況の波

 こうしてすばらしい品質の花きを提供できる「かるがも計画」は、晴れて実現し、平成13年の下半期には、かるがもの里でのハウス栽培が始まりました。平成15年の現在、5棟のハウスにより、高品質の切り花・胡蝶蘭・デンドロビウムが栽培・出荷されています。しかしながら、花き業界を俯瞰すると、切り花も鉢物も平成5年頃から生産額・出荷量ともに下降してきています。これは、バブル崩壊後、需要の伸びが見られないにもかかわらず、産地間の競争が激しくなってきていること、外国からの花き輸入が盛んに行われるようになったことなどが影響しているからです。そして、今もなお、長い景気低迷により需要の増加を見込みにくい状況が続いています。すばらしい品質の花きを栽培できる環境を得た「かるがもの里」の組合員は、栽培だけでなく、流通でも自分達でないとできない取り組みをしていかなければ、泉南地区の花き栽培農家みんなの夢を実現するための「かるがも計画」が、本当の大きな花を咲かすことができないと考えました。しかしながら、今までは市場だのみの流通しかやったことが無い自分たちに何ができるのか、壁は思ったよりも高かったのです。
 定例に行われる組合員会議の場で、みんなが頭を抱えていたそんなとき、胡蝶蘭事業部の岡田さんが発言します。「インターネットで鉢物を販売してみたらどうやろうか」。「インターネットで販売」というアイデアは、実は岡田さんの心の中でずっと暖められてきたものでした。「とにかく自分たちのことを知ってもらわなければはじまりません。かるがもの里の取り組みやそこで栽培される花達のことを多くの人に知ってもらえるメディアとして、インターネットに無限の可能性を感じていたんです」。こうして、「生産地から消費者へ、直接顔が見えるオンラインショップ!」として、「かるがもの里胡蝶蘭事業部」のオンラインショップがオープンしました。平成15年2月のことでした。




バブル後の景気低迷のあおりを受け、落ち込んだ花き需要。地元の同業者組合員をはじめ、国、府、市のバックアップを受けてスタートした「通勤型農業"かるがもの里"」では、なんとか新しい流通を開拓するため、インターネットによる直接販売に乗り出しました。






    産地直送の胡蝶蘭販売

「"かるがもの里"は、泉南市にあります。つまり、大阪という大消費地のすぐ近くにある。これは、品質の良い鉢物を、ほんの短時間の物流によって消費者にお届けすることができるということです。」良い花を育てるだけでなく、良い状態のままで消費者に届けられるという利点を活かすため、かるがもの里では産地直送販売をスタートすることになりました。かねてよりインターネット販売に注目していた胡蝶蘭事業部の岡田さんは、オンラインショップでの販売に目を付けます。
「特に胡蝶蘭という商品の特性上、ギフト利用が主ですので、1度の販売で、売り主・買い主の2人のお客様を相手にできるというメリットがあるんです。」なるほど、確かにおっしゃるとおりです。

    オンラインショップをひらくには

「オンラインショップをはじめたいとは思いましたが、一体どうやって始めたらいいのか全くわかりませんでした。そこで、地元の銀行担当者に相談してみたのです。」その後、銀行の担当者からの紹介で大阪商工会議所がショップ開店サービスを行っていることを知り、早速申し込みました。「始まったばかりの"かるがもの里"は、まだまだ知名度も低く、いきなり販売しようにも、まずは信用を得ることから始める必要があると感じていたので、商工会議所の裏付けがあれば、安心感をもっていただけると思ったのです。」ショップの申し込みはしたものの、ショップ運営については全くの素人。開店サービスの勉強会を通して1から勉強の日々が続きました。そして、何とか平成15年2月に、「かるがもの里オンラインショップ」が開店しました。

    顔の見えるオンラインショップを

まず「かるがもの里オンラインショップ」で取り扱った商品は、胡蝶蘭です。鉢物の胡蝶蘭は、なんと言ってもギフトの花形。大消費地大阪の法人需要も見込めます。岡田さんは、販売するための色々な工夫を用意しました。まずは、美しいラッピングです。オンラインショップでは、ラッピングの色を選択できるようにしました。選ぶ際にわかりやすいよう、実際にラッピングした状態の画像をホームページに掲載しました。同じようにギフト用の札についても工夫しました。札やカードは法人向けギフトの送り主にとっては大問題。こちらもくわしい札サンプルの画像をホームページで閲覧できるようにしました。(サンプルのHPアドレスは   http://www11.ocn.ne.jp/~karugamo/ )

 胡蝶蘭をもらったことがある方ならば実感があることですが、「蘭は難しい」ため、もらった花が終わったら株も終わりと思いがちです。実は、このオンラインショップは、生産者が直接消費者に送るものですから、そのあたりのフォローも万全です。「二度目の花を咲かしてください」というカードが胡蝶蘭の茎に掛かっているのです。このカードには、生産者である岡田さん自らが記した花後の管理方法、水やり、わからないときの問い合わせ先情報などがびっしりと書かれています。「私たちが心をこめて咲かせた花をお届けするときには、私たちの顔や声が見え、聞こえるようなコミュニケーションもお届けしたいんです。」と言う岡田さんは、今日もショップのあちこちをメンテナンス中です。年末には、隣のハウスで栽培されるデンドロビウムも商品ラインナップに登場する予定。デンドロビウム栽培の南さんも、岡田さんの取り組みから目が離せません。




さて、では実際にこのサイトで購入した人、もらった人の感想はどうだったのでしょうか?編集部では、実際のお客さんに取材を敢行!売り手側の気持ちがどのようにお客様に伝わっているのかをご紹介します。






    送る側の声-と送られた側の声

「胡蝶蘭を知人の会社のお祝いに送りました。」「オンラインショップで送るとき、札の指定をするのを忘れ、後からメールで付け足したのですが、確認のお電話までいただき恐縮しました。」「到着日について、週末に到着するよりも翌週の月曜日の方がいいのでは?とわざわざ問い合わせを頂きました。」とは送る側の声。丁寧な対応に満足の様子です。「配達の方が色々と細かい取扱方法まで説明してくださり、普通の宅配で来る荷物とはひと味違う感じでした。」「何といっても花が違う。肉厚で真っ白な花が大きい。沢山胡蝶蘭をもらったけれど、一目で違いが分かりました。」「胡蝶蘭は花後の管理が良くわからなかったけれど、お手紙が入っていてびっくりしました。自筆のサインなんかがあると、もっとうれしかったかも。」とは送られた側の声。「かるがもの里胡蝶蘭事業部」の岡田さんの「顔がみえるオンラインショップ」というもくろみが当たっています。
 これから胡蝶蘭をギフトに利用される予定の方は、一度試してみられたらいかがでしょうか?大輪の胡蝶蘭もありますが、小振りな胡蝶蘭もあります。「小振りな胡蝶蘭をちょっと気の張らない友人にプレゼントしたいんだけれど、あまり花屋の店頭では見かけない」という声にぴったりの”ホワイトマリー”(小振りで純白)もショップのサイトでご覧いただけます。


    これからの「かるがもの里」

かるがもの里代表理事の梶本さんは、オンラインショップへの取り組みを次のように語ります。「私には、オンラインショップがどういうものなのかようわかりません。しかし、行政や組合の仲間の努力を集めてやっと出来たこの”かるがもの里”を、何とか成功させたいと願っています。そのために、今までと違う『何か』をやっていかないと、今までのままではいかんのです。」農業従事者としては、「近郊通勤型農業」という新しいジャンルを確立。また生産者としては、「近代的大規模ビニルハウス栽培団地」を実現。それだけにとどまらず、なんとか地元全体の産業活性に繋がるような活動をしていきたいという切なる思いです。

 この春、かるがもの里を取り囲む農業公園用地では、「チューリップの引き抜き体験」イベントを実施しました。約6万球のチューリップに、沢山のお客さんが訪れました。「これから農業公園として色々な売りができてくれば、ここ”かるがもの里”に来て下さるお客様も増えてきます。実際に私たちが栽培している花を見てもらうことが、新しい需要開拓に繋がります。」こうした数々の取り組みを今後一つ一つ実現していくことで、本当に「かるがもの里」が花開く時がやってくることでしょう。


農業公園は、現在造成中で、民活ゾーン等の設置など予定されています。企業との連携を検討中とのことですから、
ご興味のある方は、一度「大阪府泉州農と緑の総合事務所」までお問い合わせください。



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