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「ホームページを、
   販売促進のためのメディアに。」

     〜ASPサービスでHPを一新、リバティ泉州健康センター〜
岸和田市で健康センターの経営ほか、煉瓦流通卸、ミネラルウォーターの製造販売などを手がける株式会社岸煉。営業部の山下課長は、健康センターの売上増を任されています。今回、大阪府中小企業IT化推進協議会の「ASP活用実証実験」に参加され、ホームページを集客力あるものに変えようと努力されています。その決断の背景とは!? 


    構造改革の先駆者

 お城とだんじりの街・岸和田。 阪神高速湾岸線「岸和田北」で降りて約5分。天然温泉風呂につかって心ゆくまでエンジョイできる湯遊王国「クアオルトリバティ泉州健康センター」があります。13種類の天然温泉風呂の湯源として湧出量 大阪一の天然温泉「千亀利(ちきり)の湯」をはじめ、美味しく食べて愉快に飲めるレストランやラウンジ、 またマッサージルームやムービーシアター、レストルーム、エステティックルーム、ゲームコー ナーなど、充実した内容です。
 この施設は、レンガの製造会社「株式会社岸煉」が88年に、創業100周年を記念して始めました。同社は明治20年7月に創業、百十余年の歴史をも赤煉瓦メーカー。創業期、煉瓦の大量輸送は船と牛車でした。そのため工場は臨海部の松林を切り開いて建てられたようです。また、煉瓦メーカーは広大な置き場が必要でした。営業部の山下課長によれば、「合理化でできた工場跡地を、スポーツセンターに利用するためボーリングしていたところ、温泉がわきだして本業になった」そうです。

    ITで攻めの販促へ

 煉瓦工場の跡地に温泉が湧いて、「クアオルト リバティ泉州健康センター」が生まれました。オープン当時はバブルの熱気のさなか。「来場者がロビーに満員電車のように押し寄せ、大人気だった」とか。その後、全国で温浴施設の経営効率に注目が高まり、また利用者の人気も集まりました。
 厚生省の統計によると、全国の公衆浴場は80年度の1万5696軒から98年度は8790軒まで減少しています。それとは対照的に、「都市型温泉」や「健康ランド」などの大型の入浴施設は8004軒から1万6626軒に増えています。そうはいっても経営側にとって「都市型温泉」の増加は、競争相手の増加と同義語です。

 こうしたなか、同社はホームページの販促面に比重を置いた活用や、携帯電話によるイベント紹介メールの発信などを念頭に、IT化をすすめています。「これまでは待ちの営業でしたが、これからはIT化による攻めの販促を打っていきたいんです」と山下課長は語ります。

    集客の手段に使う

 これから取り組んでいこうとする“攻めの販促”なんですが、どういったことなんでしょうか。「ホームページ(HP)や携帯電話メールを使って、お客様に弊社のイベント情報などを積極的に発信したいんです。そこで、新しいお客様を呼び寄せたいと思っています」。
 企業によるHP活用を分類するとベーシックな会社紹介型、その後急増したネットショップ型、大規模会社が行う総合ポータルサイト型など、さまざまに進化していますが目的が不鮮明なHPもままあります。これからは“目的を明確化したHP”でないと読者はついてきません。
 「弊社はお客様づくりのため販促を目的にしたい」と山下課長。HPの活用については、とりあえず発信するという第1段階から、目的を明確化する第2段階を目指しているご様子。「当地にはテレビ岸和田というだんじり放映のため設立されたようなCATVがありまして、インターネット接続も行っています。そんなこともあって3年前、テレビ岸和田さんににHPを作ってもらいました。でも人任せではダメと、自分たちで手を入れているんですよ」。
 専門的なスキルはどうやって修得されているのかと聞けば、「ほぼ独学ですね。あとは岸和田商工会議所さんとお付き合いがあるので、ビジネス面でのアドバイスはそちらから頂いています」。

    渡りに船のタイミング

 HPの管理には社内に専門のスタッフを置く必要もありますが。「私ともう1人、計2 人でやっています。コンテンツは、ドリームウィーバー※1などのソフトを使って自分達で作っています。ショッピングモールを作ってみたり、動画の要素を入れてみたり、今にして思えば自己満足気味ですが」。
 こうしたなか今回、ITを「攻めの販促」に使う実施計画が持ち上がりました。「HP の更新作業にも慣れ、そろそろ独自ドメインをとろうと思い、岸和田商工会議所に相談に行ったんです。そこでたまたま中小企業IT化推進協議会が行っている“ASP活用実証実験※2”を紹介されました」。
 ASPとは、ソフトを買い取るのではなく、利用料を支払うことで割安に導入できる新しいサービス。「ASPサービスが色々充実していることは、ASP活用実証実験に参加して初めて知りました。でも、ちょうど弊社にはHPによる情報発信を販促重視型に変えたいというニーズがあったので、ぴったりなタイミングでした」。日頃、商工会議所とコミュニケーションをとっておくことの大切さを痛感なさったそうです。
   ※1 Macromedia社の登録商標です。
   ※2 大阪府中小企業IT化推進協議会「ASP活用実証実験」とは大阪府が
     中小企業のIT化を促進するためASP事業者のサービスを利用する実
     証実験事業(一部利用補助あり)。報告や交流会を通じ、紹介事例
     として蓄積することで後に続く中小企業の参考として頂く試み。

    HPの管理運用をASPで

 ひとことで、ASPを導入するといっても、分野も目的も広範に及びます。焦点をどのように絞っていったのでしょう。
 「導入の効果が高いのは経理や管理系のサービスですよね。もちろんその導入について担当部署に紹介しましたが、けんもほろろでした。配置転換など人間系の体制変更に及んでくるため“痛みを伴う改革”というように映ったのかもしれません。そこで今回は導入を見送り、まず営業部で使えるものにしようと判断しました」と山下さん。契約されたのは、山下さんが温めていたHP改革計画を実行できるASPサービスでした。「いわゆるレンタルサーバーとして松下電器産業さんの“おまかせIT基本パック”それとウェブサイト制作・更新・プロモーションまでニーズに応じてメニューが選べる(有)ゼロワンビューさんの“01view e-Biz Solution”を使うことにしたんです」。

 なぜ、この2社に決定したんでしょうか。「じつはゼロワンビューさんは同じ泉州の地場でがんばっている企業さんですし、現行のHPのトップ画面作成でお世話になっていたんで、その信頼感があってAS P の採用を決定しました。お互い安心して仕事が進みましたね」。松下電器さんを選んだ理由も、「大阪の企業でやろうという地元びいき。もっとも大企業さんですがマニュアルの不備など実施上の困難もあったんですよ」と山下さん。でも、なんでも業者に頼るのでなく、自分が進めるという強い意志で夜遅くまでがんばったそうです。そのかいあって何とか設置でき、問題のマニュアルも現在は訂正されているようです。「まさに、実証実験という感じでしたね」。

    いつも目新しいことをやっている施設をアピール

 メリットは、やはり情報発信力の向上。「社員一人ひとりにメールアドレスを割り当てられるようになったので、そのメールを仕事で活用してもらいたいです。それとこれが本題ですが、HPをもっと変えたい。大きな目的のひとつに広告宣伝費の削減があります。ご承知のように後発の都市型温泉が急増しており、弊社としてもつねに新しいことをやっているというアピールが必要です。そういったタイムリーな情報発信は、従来のような印刷物では間に合わず、ラジオCMでは時間が短すぎます。だからHP の充実が一番だと思うんです」。
 いっぽう、デメリットに対する対処も課題かと思いますが。「ASPとなると、契約先のサーバーですべての仕組みが動くので、インターネットに確実に接続されることが大前提になります。その点で、回線トラブルでストップしがちなプロバイダは不安要素があります。だから、必ず回線を二重化して、万一のときのバイパスを確保しておかないといけません。ま、危機管理の必要経費でしょうね」と山下さんは語ります。


    夏の海水浴客という大市場を狙う

 店内を拝見すると高齢者のお客様が圧倒的。素朴な疑問ながら、インターネットをこのような高齢者が閲覧しているのでしょうか。「ご覧のように平日の昼間は、たしかに高齢者が圧倒的です。しかし、土日はカップルやファミリーが増えるんですよ。10代後半の女の子が来て下駄箱に厚底ブーツが入らなかったりするほど客層が広がっている」と山下さん。さすがに今は厚底ブーツ用の下駄箱を設置済みだそうです。「この広がりをHPでさらに強化し、夏前には集客のPRをしたい。立地が臨海部で駐車場も広いためジェットスキーを楽しむ若者もけっこう来場するんです。こんなお客様にも訴求したいですね。いま、営業部ではHP充実のために、販促に使えるネタをリストアップしています」。

 HPづくりは今までの営業スタイルと違うため、Web担当者に求められるスキルも従来と異なるなどご苦労もおありでは。「そうなんですよ、これまでは、たとえば職域団体や老人会など大口組織への足で稼ぐ営業が主体でした。堺、泉州のみならず、大阪市内や府下、隣県(奈良県、兵庫県、和歌山県 等)からもご来場頂いています。ただ、安定した需要のあるお年寄りをただ待つのでは広がりが見込めません」。そこで、攻めの営業のために今回、大阪府中小企業IT化推進協議会のASP活用実証実験を活用したんですね。「その上で新しいHPのコンテンツやアプローチの手法を編み出さねばなりません。これまで以上に企画力やプロデュース能力が試されることになるのは覚悟しています」。


    新しいメディア・携帯電話の活用も

 PR効果を高めるために、今後企画なさっている奥の手があったら教えてくれませんか。「お客様層を広げる意味で携帯電話によるイベント等のお知らせ配信を計画しています。今、携帯電話会社では迷惑メール対策が進んでいますが、弊社では店内のあちこちにアンケート用紙があり、パーミッション(承諾)をもらった上でメールアドレスを記入してもらいます。これでデータベースを構築し、年齢層・性別などセグメント(選別)したお客様に最適なイベント情報や割引クーポンを配信しようと考えています」。携帯電話ですか。それにしても、HPよりもっと若者向けという感じがしますが、本当にお客様層が広がるんでしょうか。「そうでもないんですよ。店内で携帯メールを打ってる方のうち、中高年の方の割合はかなり多い。とくにこれから夏場にかけては海水浴帰りという大きな市場が生まれますので、携帯電話メールを使って売り上げ増につながるPRをしたいと思っています」。 

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HPの活用は、とりあえず発信するという第1段階から、目的を明確化する第 2段階へ。集客力ある販促効果の高いサイトに特化するため、大阪府中小企業 IT化推進協議会の「ASP活用実証実験」に参加された株式会社岸煉。専門家の 知恵とスキルを低廉な料金で駆使したHP戦略が期待されます。夏場へ向かっ てのさらなる飛躍を応援しています。


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