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「EC(電子商取引)市場で、
   メール営業を積極展開。」

     〜総合食材の開発卸で伸長中の、株式会社オーク〜
大阪市淀川区で特殊厨房機器販売業を母体に、食材の開発卸売り部門で急成長を遂げている株式会社オーク。EC市場への進出を皮切りに、ユニークな営業活動を展開されています。デフレと営業不振一色の逆風に立ち向かう社長の梅澤さんに、独自の挑戦ぶりをお伺いしました!


    EC(電子商取引)市場に風雲児現る

 ザ・ビジネスモールも提携している食材分野のEC市場「フーズインフォマート」。東京のインフォマート社が運営する会員制のこの市場は、1998年2月の創設以来、食品・食材分野において国内最大のBtoBマーケットプレイスに成長。現在、取引業者4,688社の会員を有しています。会員企業のメリットは、売り手はコスト・労力を抑えながら効率的に全国に販路を拡大することが可能となり、買い手は新しく低価格な食材を効率的かつスピーディーに調達することができる流通システムです。そんなフーズインフォマートから「元気な企業が大阪にありますよ」と紹介を受けたのが、株式会社オークの社長・梅澤さんを訪ねるきっかけでした。

    ITで攻めの販促へ

 「エコカラット」も3月よりインフォマート買手会員様用に価格を安く提供出来るように特注で作り販売します。その他、食器洗浄機、電機のいらない殺菌、漂白が出来る手軽な商品の販売も同時に行う。株式会社オークは特殊厨房機器販売が本業です。食用油のランニングコストを削減できる「エコカラット」という食用油の酸化抑制装置を販売しているほか、「香味フーズ」という新規事業のセクションで多様な食材の開発・卸業務を行っています。
 「今、当社で売上を伸ばしているのは、あらゆる肉を扱う畜産開発部、水産開発部、青果開発部、総菜・原料開発部、だし・調味料開発部からなる食材分野です」と梅澤さん。「買い手であるお客様企業は、他店と差を付けた食材販売やメニュー開発をしようと必死です。価格・内容を含め、できあいの食材ではとてもニーズにお応えできません。そこで、そのニーズに合わせるために開発対応をしていくことにしたんです」梅澤さんは自社紹介をしてくれました。「当社は、畜産品から総菜、水産品までトータルに取り扱っています。また、小ロット対応、プライベートブランド商品の共同開発、あらゆる食材の調達加工ができることを売りにしています。課題は、当社の特長を売り込む相手先をいかに開拓するかでした」。

 これまで名刺片手に飛び込み型の営業を経験されてきた梅澤さん。営業開拓のご苦労は骨身にしみています。そんな時でした。「インターネットで営業先を探そうと検索エンジンを回していたんです。偶然、フーズインフォマートを見つけました。去年11月のことです。さっそくメールで入会方法を聞きました よ」。

    希望を持って、入会!

 「売り手として、新たな販路の拡大ができるかもしれない。そう思って入会をしてみたんです」梅澤さんは語ります。「食の業界に長いこといながら、知らない企業がこんなにあるのかと驚きましたね」。買い手企業数、約2千数百社。「売り込み先がこんなにあるのか、と膝を打ちました。社名から購買担当者の名前、連絡先までオープンにされている。売り手に入会していると売り手企業は見えない仕組みですが、買い手はすべてオープンにされているわけです。これは画期的だと思いました」。当然、正式入会しました。

    ファーストコンタクトに利用

 BtoBネット市場の利用目的は、売り手は販路拡大、買い手は仕入れ価格抑制、品質の確保などでしょう。その目的を果たすため、ほとんどの企業がBtoB ネット市場内でのマッチングを期待し“いいチャンスを待って”います。しかし、売り手と買い手の合意なくしては商談が成立しないのは、リアル経済でもネット市場でも同じこと。ですから例えば買い手として、常識外れな低価格で仕入れ希望を出しても、なかなか適正なオファーがくるとは限りませんし、売り手側も、価格・品質・内容などでよほど差別化できる魅力がないと、うまく買い手ニーズとマッチングしません。
 そんな現実がある中で、梅澤さんはどうBtoBネット市場を活用しているのでしょうか。「当社は他社さんのように待ちの営業はとっていません。幸いフーズインフォマートでは買い手との連絡手段があるので、直接メールによるコンタクトがとれます。そこで当社は食材を探していらっしゃる買い手企業に直接営業開拓メールを送付し、ファーストコンタクトをとるようにしたんです」と梅澤さんは歯切れ良く答えてくれました。

    商売の基本は変わらない

 株式会社オークの梅澤さんがとる営業開拓メール作戦。それは、フーズインフォマートならではの成約方法で、通常のBtoBマッチング市場の成約方法とはひと味違います。「当社のやり方は、『こんな食材、いくらで求む』というメッセージを発している買い手企業に、いち早くメールで取引の打診を行い、見本品を送付、契約に結びつけるというやり方なんですよ」と社長の梅澤さん。たしかに、BtoBマッチング市場のシステマチックなマッチング方法に比べ、梅澤さんのとる方法は、個別メールの作成・送付に伴う人的労力、個々のメール受発信に伴う手間など、きわめてアナログ的な要素が多く含まれます。「しかし、この方法で入会してすぐ取引を成功させたんです。これはいけると直感しました。当社はBtoBマッチングのしくみに甘えるのではなく、これまでのリアル営業と同じように総合食材の開発卸業務という当社の特長を積極的にアピールするという道を行こうと思ったんです」。

    メリットは打率の高さ

 「飛び込みだと1/5〜1/3ぐらいしか話を聞いてくれません。これまでは本当に苦心しました。相手先に紹介がなければ入れません。入れても担当者になかなかたどりつけません。名刺をもって飛び込んでも、自社紹介・営業紹介から聞いてくれるところはまずない」。この不況下では新規開拓先を探すのはますます大変です。「しかし、メール営業の場合は基本的に必ず開いてくれるという打率の高さがあります」と梅澤さん。畜産部門の東さんは「メリットは今までの足で信頼を勝ち取る営業に比べ効率がいいことですね。相手との信頼形成に必要な時間が不要。すでに買い手にニーズがあるため商談が素早く行えます」と語ります。

 でも、現実的に本当にそんなうまくいくのでしょうか。「正確にはメールの打率は、五分五分といったところでしょうか。商談が始まって食材サンプルを送付しても、うんともすんとも返事をしてこない会社もあります。リアルの商売ならその場で相手の反応が見えるが、メールでは見えません。だから電話、FAXなど従来の通信手段も駆使して、いかがでしたかというフォローをしています。熱意はいつの時代も不変のパワーがありますからね」。


    料金もリーズナブル

 フーズインフォマートの会員として売買を行っても手数料は基本的にはありません。料金体系は年会費のみ。その費用負担は重くないのでしょうか。社長の梅澤さんはきっぱりと「こんな安い料金はありません」。なぜかというと、
(1)買い手企業が約2千数百社とビジネスチャンスが大きい
(2)別サービスで決済を保障してくれるサービスがあり、集金業務が不要で伝票・請求書もいらない、発行の手間もない。
個々に集金するリスクがない。しかも決済が早く手形もない。これが売上代金の5%という手数料でできるので、ものすごく役立っているといいます。売り手は年会費30万円。「当社は売れていますから30万円は安いです」と梅澤さん。


    あくまでも前向きに

 EC市場で売れる会社と売れない会社、その違いは何でしょう。「現実的には売れてない会社もけっこうあるはずです。でも、そんな会社もホームページ(HP)が貧弱かというとそうでもない。けっこうお金をかけてカタログ機能なども充実させている。しかし、HPにお金をかけると安心してしまい、営業開拓の労をとらなくなる。仮に商材を数百アイテム出して紹介しても、HPだけで来るお客さんはいないのが現実ですよ」と梅澤さん。「当社も遅ればせながら香味フーズ部門の紹介HPを作成中です。お客様へのメールとともに自社の紹介をホームページで見てもらえる。個々にパンフレットを送ったり資料請求に応えたりする手間費用も要りませんしね」。なるほど見えてきました。HPがお客様を呼んでくるのではなく、呼んできたお客様をHPで補完するという手なんですね。

「なにか1品でいい、例えばレストランなら肉を買ってくれたら、水産、総菜、調味料にいたるまで仕事の幅を広げていける。そのために攻めるんです。お客様を待っていては次のアクションにつながらない。あくまでも売りに行かないとダメだと思います。当社は価格と内容について当社は絶対の自信を持っています。お客様のニーズに合わせた食材を何でも開発できるんですから」。では今後の目標は?「フーズインフォマート内での取引高NO.1を目指しますよ。中小企業では、リアルの世界でなかなかNO.1になれないが、バーチャルEC 市場では可能です。ここにやりがいを見出すことで士気も上がりますから」。


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EC市場やHPをフル活用する。でも、安住はしない。株式会社オークの梅澤さんの言葉には、リアル経済で叩き上げられた熱意と自社に対する自負が感じられました。「関西圏ならいつでも商談に出張しますよ。来週は三重、広島と出ずっぱりです」。梅澤さん・東さん・住山さんの、ネットとリアルを股にかけた絶妙なバランス感覚が印象的でした。


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