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「データセンターを活用すれば、
           安心度200%」

     〜高信頼性を追求する、テラウェーブ・システム(株)〜
Webを事業に活用する会社があれば、Webを事業の柱にしている会社もあります。ことに後者の場合、サーバのセキュリティを確保することは事業の大前提となります。テラウェーブ・システム(株)を経営する松廣さんは、安全性の観点からデータセンターを利用してWeb事業を展開中。その経緯は、Webを事業に活用する私たち中小企業にも大いに役立ちそうです。


    まず、貿易で成功

 松廣さんは、中央区内淡路町で貿易会社とWebプログラムの会社、2社を経営なさっています。そのいきさつから伺ってみました。
「貿易会社のサラリーマンをやってたんですが輸入販売のノウハウを吸収し、1992年に独立して貿易の新会社ケー・エム・マシーン(株)を設立したんです。ヨーロッパから建築工具を輸入販売しています。主力製品はタイルや石材を切断する工具ですが、日本ではシェア9割を占めています」。すばらしい眼識ですね。
「貿易業は当たると大きいですが、当たるものを見つけるまでが大変です。国際見本市で、これはいけるという商品を見いだし、それでも外れることは多々あります。それに、いい商品だから売れるわけではありません。日本の建設市場の特性もあり、日本の商習慣にマッチさせ代理店さんに扱っていただくことが大切になります」。
 パソコンがずらりと並ぶオフィス。松廣社長の口ぶりには実績に裏打ちされた自信が感じられます。

    インターネットの波におびえる

 ところで、松廣さんの本業は貿易とお見受けしましたが、なぜWebの会社も経営されてるのですか?
「97年ごろからインターネットが一気に広がりました。貿易の仕事をしていますと、不安が芽生えてきました。こんなに自由に海外のサイトが読め、個人貿易もできるようになると、貿易業はなくなってしまうのではないか?と」。
 確かにWebの急速な発展が脅威になる業種も多々ありますね。
「そこで、おびえるばかりではなく、とりあえず勉強しなければと思い、コンピュータの専門学校に入学。ホームページの制作やパソコン自作などをしながら、情報処理技術者2種資格も取得しました」。
その頃、貿易の会社は休業されていたんですか?
「いいえ、会社を経営しながら通学したんです」。

 そんな中で、Webのプログラム会社を興すのも大変な決断でしたね。「これからはWebを通した新しい商習慣が生まれる予感がありました。そこで、事業として成立すると判断し、1999にWebプログラムを作るテラウェーブ・システム(株)を興したんです」。




インターネットの波に押し流されるのではなく、波のまっただ中に飛び込んでいく勇気。そして、「成算あり」と判断するやいなや、新会社を設立してしまうバイタリティー。松廣さんの機動力に富んだ身のこなし、それはどんな成果を生んでいくのでしょう。






    Web集客の“仕組み”に目を付けた

 Web分野というのは群雄割拠しています。集客力・販売力のある情報コンテンツを作るとなると、資本力に太刀打ちできないように感じますが。
「Webのどの分野に参入するか、随分考えました。そこで、集客・販売の“仕組み”に関わるプログラム開発なら、アイデアと才能で参入できるにちがいないと判断。Webプログラムを開発して売り出すことにしたんです。最もヒットしたのは、ネットワーク型のアフィリエイトシステムです」。

アフィリエイト?耳慣れない言葉ですね。どんなサービスをするシステムなんですか?
「お客様が、広告を掲載したサイト(アフィリエイトサイト)に掲載された広告を通じて商品購入などをすると、広告主(マーチャント)からアフィリエイトサイトに対し成果報酬が支払われるという仕組みです」。
よくあるバナー広告とどこが違うんでしょうか?
「バナー広告はサイトに誘導するだけですが、アフィリエイトのバナーは成功報酬が支払われるのが大きな違いです。しかもクリック保証といわれるもので、お客様がクリックし、広告主のサイトで買い物をしたときのみ広告主からは広告費用が徴収され、アフィリエイトサイトのオーナーに成功報酬が支払われます」。

    日本初のASPアフィリエイトが大ヒット

 なるほど。いま、Webの世界ではバナー広告の効果に疑問が持たれています。不特定多数のバナー広告に費用を投下して、集客効果が少ないという不満が囁かれるなど、一時の過熱はとうに冷めました。この成果報酬というのは、バナーを出稿する広告主にとっても、バナーを掲載するサイトオーナーにとっても合理的ですね。「そうです。広告主にとってはバナー広告の出稿数に対する課金ではなく、買い物をしてくれた成果に対して報酬を支払えばいい。費用対効果が明白です。また、サイトのオーナーは、アクセス数や業態に関係なく収入のチャンスが得られる。また、同時にいくつものマーチャント(広告主)のアフィリエイトになることができます。だから広まったんでしょうね」。

聞くところ、2000-2001年は爆発的な売上で大忙しだったとか。ここまでヒットした理由は、企業努力の要因もあったのでは?「うーん、独自性でしょうかね。このアフィリエイトのプログラムが世に出てきた当初はとてつもなく高額だったんです。当時、システム会社がプログラムを自作し、個別で販売していました。当社は、低額化と販売数の増大をめざし、日本で初めてASPで運用しました。プログラムを低額でリースするという方式の“ASPアフィリエイト”のローコスト性が、圧倒的な人気につながったんだと思います」。




Web集客の“仕組み”に目を付け、日本初のASPアフィリエイトという独自の武器でWebプロモーションの分野に乗り込んだ松廣さん。結果は、さすがドッグイヤーと言われる業界だけあって、即座に現れました。さながら連戦連勝の今年の阪神タイガースを思わせる破竹の快進撃。足元をすくわれなければいいんですが…。






    コンピュータ、電気なければただの箱

 やることなすことがどんどん吉と出て、すばらしい経営手腕ですね。
「とんでもありません。いやぁ、ちょっとはばかられるんですが、えらい話もありましてねぇ。これをご覧いただけますか」。
見るとそこには見慣れない発動機のようなものが。「これ発電機なんですよ」。
なんでこんなものが?
「じつは、このビルのオーナーが変わり、電気設備の点検と称してひんぱんに停電が起きまして、その都度発電機でしのいでいたんです。当社は“ASPアフィリエイト”を提供していますから、停電などでサーバが停止すれば、アフィリエイトバナーを貼っていただいたお客様サイトに影響が出ます。ですから、サーバの保守にはものすごく気をつかい、停電時の発電ひとつとってもその神経疲労はすさまじいものがあるんです」。

 自社でサーバを持っている会社はけっこうあると思いますが、御社のようにサーバを商売の基盤になさっていると、その信頼度維持に気をつかわれるのはよく分かります。「当社の仕事は、いわば、ミニ・データセンターみたいなものですからね。セキュリティが生命線なんです」。
セキュリティといえば、ハッカーやウィルスの被害も脅威ですよね。去年の年末にはニムダなどウィルスメールが飛び交いました。
「当社にもハッカーの攻撃がありました。もちろんファイヤーウォールで防護壁を作っていますから、侵入はされませんでしたが、脅威にさらされているのは痛感しましたね。インターネットというのはとても便利で、すぐ目の前に世界の情報の宝庫があるわけです。これは同じように、スグ目の前に世界屈指のハッカーがいるということなんですね。管理者一人が貼り付いていても、とても対応できません」。

    大阪商工会議所から、もってこいの話が。

 「そんなふうに頭を抱え込んでいたとき、大商ニュースでデータセンターサービス開始の知らせを受け取ったんです。スグ申し込みましたね。今年の3月のことですよ。ハッカーの脅威にいつまでもおびえているのは、仕事どころじゃない。精神衛生上もよくない。その点、大商のデータセンターなら、データセンターのファイヤーウォールと自社サーバのファイヤーウォールで二重の安心感がある。しかも、もし何かあってもサーバのところにすぐ駆けつけられる。コンソールから機器の設定が調整でき、自社でハードを管理するのとほぼ同じ便利さがある。もちろん、停電対策、地震対策、防火設備は完備。また、IP アドレスを変更せずに回線の速度を上げられるできるメリットもあり、将来の事業拡張にも対応できる。こりゃ、もってこい。お金には換えられないとは言え高いのは困るのですが、その点もリーズナブルです。」
サーバを移転されてどうですか。
「精神衛生上、この上なく快適です。サーバが生命線の金融関係、自治体関係はデータセンターの利用が必須ですよね。当社のようにASP事業をやっている会社、インターネットショップや顧客情報を扱うデータベースなど、データセンターの活用は必須だと思いますね」。

大阪商工会議所データセンター  http://www.osaka.cci.or.jp/idc/




情報処理振興事業協会セキュリティセンターへのウイルス発見届出件数は、1999 年に3,645 件であったが、2000年には11,109 件へと急増した。またトレンドマイクロ(株)によると昨年のウイルス届出数は23,000件に達し、前年と比べて2倍という驚異的な数字になった。






    物騒なのは、Webもおなじ

 現実社会では鍵を破って侵入するピッキング被害が急増しているほか、強盗、放火、学校犯罪など、物騒な事件が毎日のようにニュースになっています。現実社会だけでなくWebの中でも同様のことが起きている、起きうると考えるのが自然です。
「ASP事業を展開している当社は、サーバのセキュリティ確保が企業の生命線。だからいち早くデータセンターにサーバを移転しましたが、中小企業で自社サーバを置いてWebを運用することがいかに危険か、私たちはあまりにも気をとめていないのではないでしょうか」と社長の松廣さん。
常時接続環境が増えつつある現在、私たち中小企業にも一層のセキュリティ対策が望まれています。経営者の方は“当社のような中小企業を攻撃しても何のメリットも無い”とおっしゃるかも知れません。しかし、危険性は単に攻撃されるだけではないのです。たとえば、ウィルスメールを取引先に知らずにまき散らすことで、信用失墜にもつながりかねません。高度な技術になりますが、ハッカーが攻撃したいサイトに対する“踏み台”として侵入しやすいサーバを利用する場合も多々ありえます。
「中小企業の環境では、大手企業のように情報システム部門を置いてセキュリティを確保することができません。それだけに、安心してサーバ環境を託せるデータセンターの存在価値がありますよね」。
松廣さんもお墨付きを与えています。


    原点に戻ってサイバー貿易を

 ところで創業当時の仕事で、現在も一貫して経営されている貿易会社と、W ebプログラムの会社、2つの会社を経営されているわけですが、両者の相乗効果というようなものはおありですか?
「貿易屋としては、当初インターネットをライバルと思っていました。ところが、いつまでたっても貿易の仕事がなくなるわけではなかった」。
これにはホッと胸をなでおろされているようです。
「インターネットはグローバル化を進めるが、貿易屋というのはローカル化を進める仕事なんですね。わかりやすくいうと、その国の特性に合わせて商品を新たにプロモーションし直す仕事なんです。これをローカライズと呼ぶとします。ローカライズというのは、Webの世界にもあてはまるはず。外国サイトを日本市場に合わせてローカライゼーションするサービスを打ち出したいですね。例えば、このサイトのこの商品を日本に売りたい。そのとき、日本の市場、流通、気質、商習慣などを理解した上でサイトの再構築や検索エンジンへのプロモーションの仕掛けづくりをするニーズが生まれてきます。これはまさに、貿易屋のノウハウと同じです。ですから、次の段階の目標としては、貿易とW ebを融合させたサービスを提供していきたいと考えています」。


貿易から始まり、Webで大ヒットを経験し、セキュリティの大切さを実感されたテラウェーブ・システム(株)社長の松廣さん。その快進撃を、さらに高いところで融合し、新しいビジネスの開拓に邁進していく。松廣さんの意欲に満ちた笑顔が印象的でした。



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