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「楽しい色付き文房具を使って欲しい」
      〜キッシーと二人三脚!浪速のあきんど ワキ文具
私たちは、ボールペンや定規など、毎日の仕事で沢山の文房具を使っています。それらの文房具のうち、自分自身の趣味で選んだものが、どれぐらいありますか?今月ご紹介する「ワキ文具」は、そんなありきたりの文房具に嫌気がさしたあなたにぴったりのお店です。若きネットショップの店長は、リアル店舗「ワキ文具」店長のお母さんの前では、どこにでも居る普通の若者です。でも、自分の根っこにある「文房具」に対する愛着を自分なりのスタイルで表現できるようになるまで、それはそれは「やんちゃな子」でした。そのやんちゃっ子がどのように自分を表現していったのか、今月は、その苦闘の軌跡をお届けします。


    文房具屋に産まれたけれど

 ワキ文具の店舗は、野田新橋筋商店街中央にあります。古い商店街に昔から店を構える普通の文房具屋さんです。ワキ文具のネットショップ店長は、この店の4代目。今年で22歳になる岸井祥司さん、ネットの通称”キッシー”です。

「僕は昔から色つき文房具が大好きで、事務所によくある色無し文房具は大嫌いやったんです」と明るく語るキッシーですが、このオンラインショップは、文房具やの跡取りが何の苦労もなくものではありません。とりあえず進学した高校を1年で中退し、それからは思いつくままに色々な仕事をやってみました。家の手伝いで配達もしましたが、別に自分の商売と意気込んでやっていた訳でもありません。一体自分は何がしたいのか自問自答の毎日のなかで、ある日一冊の本と出会います。
「電子商店繁盛記」というタイトルのその本との出会いこそ、岸井さん19歳、キッシー誕生の瞬間だったのです。

    kasaya.comを目指して

 偶然出会った本には、ネットショップで大成功を収めた宮武和広さんのサイト”kasaya.comの事例が載っていました。
「こんなすごい事ができるんやったら、すぐにやってみよう」ベクトルが定まれば、若さも味方して恐いもの無しです。まずはパソコンを買って、ネットに繋ぐところから始まりました。何はともあれホームページを持たないと始まらないと思い、何とか自力でサイトを構築したものの、とてもお店とは言えないでき映えでした。

「自分一人でどうにもこうにもできず、悩んでいるときに、楽天ショップという手があると知りました」「とにかく早くお店を開けたい、開けてみたい気持ち」で寝る間も惜しんで4ヶ月。とうとう2001年2月9日に、「ワキ文具」楽天市場店が開店したのです。




野田阪神新橋筋商店街中央で文房具店を営む「ワキ文具」。創業4代目にあたる岸井祥司さんは、高校中退後、ネットショップに自分の未来の光を見いだします。全くの素人が寝る間も惜しんでオープンにこぎつけたネットショップですが、世の中はそんなに甘くはありませんでした。






    オープンの日にお客様は1人

「ネットショップさえ開けば、本で読んだ大成功が自分のものになると、信じてたんですが…」
いざオープンしたショップには、オープン当日知り合いのお客さんが1人買い物をしてくれただけで、そのまま泣かず飛ばずの日が続きます。

「横のつながりも無くて、きっとみんなこんなもんなんかなぁ」と漠然と自分を納得させていました。売れているサイトを見たり、色々な本を読んだりと、時間を持て余しながら勉強を続けました。でも、さっぱり売上げは上がりません。そんな中でも、「自分が好きな色つき文房具をみんなに知ってもらいたいという気持ち、面白く楽しく紹介したいという気持ちに迷いはありませんでした」という岸井さんは、迷いながらも日々ネットショップに立ち向かい続けました。

    自分を見てくれていたんや

 そんなある日、1通のメールが舞い込みます。それは、今もネットショップのコンサルタントとして活躍する小山陽子さんからでした。
「私たちのサイト”IPPIN SHOPPIN”の仲間になりませんか?」

 それは、聞いたこともないサイトへのお誘いでした。何も知らないままに、とりあえず小山陽子という人がどんな人なのか、”IPPIN SHOPPIN”というのがどんなサイトなのか、調べてびっくりしました。「自分をネットショップの世界に引っ張ってくれた『kasaya. com』や、有名な『ナチュラム』など、有名な人・店がずらりと名を連ねていて、何で?って正直思いました」でも、何もわからないままに1人でもがいていた岸井さんにとっては、自分のお店がどうのこうのという前に、そういう人達と一緒に何かが出来ると言うことが嬉しかったのです。

「自分一人でもがていたんじゃなかった。見ていてくれる人がいたんや!」
孤独なショップマスターには、力強い先輩達の誘いが心に響く天の声だったのでした。




夢を乗せてオープンしたネットショップが泣かず飛ばず。なにもわからないままに、ただ毎日自分が好きな文房具を面白おかしく紹介し、時間は過ぎていきました。そこに突然舞い込んだ”IPPIN SHOPPIN”へのお誘い。自分とは別の世界の人と思っていた有名ショップマスター達のお誘いに、とまどいながらも売れるネットショップとは何かを学ぶチャンスをつかんだ岸井さん。それから「ワキ文具」は生まれ変わります。






    一つ一つ学びながら成長

”IPPIN SHOPPIN”に入ってからの岸井さんは、今までどれほど自分が何も知らなかったのかを思い知らされます。

「ただ自分が良いと思う商品を紹介するだけでは、売れるはずがなかったんやとわかりました。」先輩達は、惜しげもなく商売のヒントをくれました。でも、「一番大事なところは、教えてくれへんのです。自分で試して、わからんとこは質問し、一つ一つを自分のものにしていきました」
岸井さんは、「一番自分にできてへんかったところは、全然まわりを見ていなかった事でした」と当時の自分を振り返ります。
「売上げを伸ばしているお店が当たり前にやっていることが全然できてへんかったんです。」

 できていなかったこと、それは、たとえば商品の紹介の仕方、誰に売るのかというターゲティング、メルマガの活用方法など、毎日細かく積み上げる作業と分析でした。
しかし若い岸井さんには、疲れると言うことはありません。その一つ一つを確実に実行し、自分のものにしていったのです。

    着実に売上げアップで恐いもの無し

”IPPIN SHOPPIN”で学んだことを実行するたび、お店の売り上げは上がっていきました。打つ手打つ手が成功し、自分が夢見たネットショップのオーナーとして、やりがいのある毎日となりました。いつの間にか、店長は”キッシー”として、ファンクラブが出来るほどの人気者になっていました。
「”IPPIN SHOPPIN”へのお誘いが来るぐらいの自分=キッシーと、有頂天になってたんです」しかしながら、そんな夢の様な日は、長くは続きませんでした。

    浪速のあきんど「ワキ文具」らしさって

 ネットショップ繁盛の秘訣を学ぶたび、売上げは伸びました。
「もっと見やすいサイトにしなあかん」「もっと綺麗なサイトにしなあかん」と追い立てられる様に、サイトをリニューアルしていきました。ある日気が付くと、がくっと売上げが落ちていました。
「日別の売上げが音を立てて落ちていきました。なんで?ってはじめはわからんかったんです」順調に売上げをのばしてきた岸井さんことキッシーは、売上げ日報を目の当たりにし、その急激な落ち込みになすすべもありませんでした。

「リニューアル日を境に落ちている。これははっきりしてました。事実を否定することはできません。なんで?っていう疑問は、お客さんからの声で解けたんです。」

《なんか、綺麗なサイトになったけど、浪速の商人『ワキ文具』らしくなくなったですね》

 これがすべてでした。いったん落ちた売り上げは、見る見るうちに最盛期の約半分まで落ち込んでしまいました。
「店舗のコンセプトとページのイメージがマッチしなければ、お客様は退いてしまう」ということを身をもって学んだ貴重な体験でしたが、その痛手はあまりにも大きなものでした。




オンラインショップとして、有名店に並ぶ人気を誇る「ワキ文具」。ファンクラブまでできた店長”キッシー”こと岸井さんは、オンラインショップ繁盛の定石を踏んでいたはずが、売上げ半減という事態に遭遇します。それでも若い岸井さんは、負けません。この反省を心に刻み、自分なりのネットショップを目指します。






    冷静に事態を見つめて

《綺麗なサイトになったけど、浪速の商人『ワキ文具』らしくなくない》というお客様の声で、「店舗のコンセプトとページのイメージがマッチしなければ、お客様は退いてしまう」ということを身をもって学びました。
 冷静にこれまでの自分を振り返ると、繁盛するネットショップを目指していたものの、繁盛する「浪速の商人ワキ文具」を目指していた事をいつのまにか忘れてしまっていました。
 何もわからず、がむしゃらに自分が大好きな色つき文房具を紹介していた頃、その体当たりで「やんちゃ」な自分が、実はワキ文具の”キッシー”として光っていたのでした。それこそが”IPPIN SHOPPIN”のメンバーに見いだされた理由だったのに、ありきたりのショップマスターになってしまっていました。

「僕は、文房具屋に産まれて来たものの、ダークカラーの文房具が大嫌い。そやなくて、色つき文房具で楽しくデスクを飾って欲しい、こんなに楽しい文房具があるんやで!って紹介したかったのに、その大切な根っこを忘れてしもてたんですね」


    だから、いまのワキ文具ショップ

 こうなったら、少しずつでも自分らしいサイトを作っていこうと岸井さんの心に火が燃え始めます。
「どこにでもある教科書通りのサイトやなくて、自分にしかでけへん面白くて楽しくてびっくりする商品があるサイト」をめざし、再度店舗のリニューアルを進めます。
「失敗した綺麗なサイトは今でもデスクトップに残しています。いつまでも忘れへん様に、いつでも見れるようにしてるんです」と照れ笑いをする岸井さん。売上げ半減から約半年弱で、なんとか元の売上げに近いところまで戻してきました。そんな岸井さんは、年末年始商戦で、新しい仕掛けを考えました。
「ワキ文具の福袋」です。福袋と言っても単にお買い得な商品を詰めたものではありません。何と、注文を頂いたお客様の趣味に合った商品をキッシー自らが選び、世界に一つの福袋を作ったのです。「ワキ文具のお客様は、大体2万人の登録がありますが、その1人1人について、以前どんな商品を買ってくださったとか、どういうお問い合わせを頂いたとかは、自然と頭に入ってるんです。」とは驚きです。掲示板を見ると、なるほど、自分の趣味にフィットする商品が届いたという喜びの声が溢れています。

    登録したら30秒後に売れる喜び

 約3年間かけて、現在の「ワキ文具」ショップができあがりました。ここまでの苦労は大変なものだったと思いますが、岸井さんには迷いはありません。
「ネットショップは、お客様の反応がダイレクトに返って来るので面白い。気が抜けへんのはしんどいけれど、失敗も成功もちゃんと返ってきます。だから、その声をちゃんと聞いていけば、大丈夫。登録した商品が30秒後に売れると、やっぱりこの商品のことわかってくれる人がいてるんやって勇気もらいます。」

これからも、若さでどんどん「やんちゃ」なサイトを爆発させてくれる岸井さん。オンラインショップ店長の”キッシー”と二人三脚で、楽しい文具生活を提案してくれることでしょう。みなさんも、是非一度お立ち寄りください。


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